宇宙の広さに思いをはせると 悩みは少し軽くなる

夜空を見上げると
地上で起きていることが
少し遠く見えることがある

悩みが消えるわけではない

悲しみが
なかったことになるわけでもない

それでも
見上げた先には
自分の思いとは関係なく
広がっているものがある

星があり
闇があり
光があり
届かない距離がある

その中で
地球はひとつの場所にすぎない

その地球の上で
人は悩み
迷い
傷つき
何かを失い
何かを求めている

自分にとって
その苦しさは重い

胸の中にあるものは
たしかに重い

けれど
世界の広さから見れば
それは
ひとつの生命の中で起きている
小さな揺れでもある

小さいから
どうでもいいのではない

小さいから
消えてしまえばいいのでもない

ただ
自分の中ではすべてに見えるものも
世界の中では
すべてではない

そう見えるだけで
少し息が入ることがある

人は
自分の願いを中心に
世界を見ている

こうなってほしい
失いたくない
報われたい
間違えたくない

その思いは
自然なものだと思う

けれど
世界は
こちらの願いどおりには動かない

夜空は
誰かの悲しみに合わせて
広がっているわけではない

星は
誰かの不安を消すために
光っているわけではない

ただ
ある条件の中で
そこにある

世界は願いを知らず
ただ理で成り立っている

その冷たさのようなものに触れると
はじめは少し寂しく感じるかもしれない

けれど
そこには
不思議な軽さもある

すべてを
自分が背負っているわけではない

すべてが
自分の願いを中心に
決まっているわけでもない

今日うまくいかなかったことも
誰かの言葉に傷ついたことも
失ったものが戻らないことも

世界の大きさの中では
ただひとつの出来事として
流れていく

それは
冷たい話ではない

自分を小さく傷つけるための見方でもない

自分を
世界の中心から
静かに戻すための見方

大きすぎると思っていた悩みが
なくならないまま
少しだけ
置き場所を変える

夜空を見上げても
問題は解決しない

明日も
やることはある

向き合うこともある

選ぶこともある

けれど
そのすべてを
自分ひとりの中心で
抱え続けなくてもいい

地上で起きることは
自分にとって重い

それでも
宇宙の大きさを思えば
その重さは
少し違って見える

悩みが消えなくてもいい

ただ
それだけが世界のすべてではないことを
静かに観ている