人は
願いが叶うことを喜ぶ
思い描いた未来に近づけば
安心し
報われたような気持ちにもなる
それは
とても自然なことだと思う
けれど
願いが叶うことを
幸せの条件にした瞬間
叶わないものは
不幸の側へ置かれていく
もっとこうなってほしい
このままでいてほしい
失いたくない
そうして
喜びのすぐそばで
次の願いと
不安が動きはじめる
願うことが
心を苦しくするのではない
願いどおりになることを
世界に求め続けるとき
心は静まりにくくなる
世界は
ひとりの願いを中心には動いていない
天気も
時間も
老いも
別れも
偶然も
他の生命の動きも
無数の条件が重なり
そのときの形として
現れている
そこに
こちらの願いへ応えようとする意志はない
願いを拒もうとする意志もない
ただ
条件が重なり
ひとつの結果が生まれていく
願いは
理を動かさない
強く願ったから
叶うのではなく
願わなかったから
失うのでもない
願いに沿う結果も
願いに沿わない結果も
世界の中に生じた
ひとつの出来事としてある
このことが見えてくると
願いを
捨てなくてもよくなる
願いながら
結果まで
握ろうとしない
叶えば喜び
叶わなければ
世界が間違っていると
決めつけない
自分にできるのは
選び
動くところまで
その先には
自分以外の条件が
無数に続いている
願いは
心の中にあっていい
けれど
世界が願いに従うことまで
求めなくてもいい
世界は
こちらの願いを知らないまま
ただ
理のまま進んでいく
今日は
思いどおりになることを
幸せの条件にしている
こちらの動きと
願いとは別のところで
ただ成り立ち続ける世界を
静かに観ていた
