静整食をはじめてから
食べものに対する感覚が
少し変わってきた
前なら
焼肉は焼肉として見えていた
サバ缶はサバ缶として
ウィンナーはウィンナーとして
そのまま食べものの名前で見えていた
けれど今は
その前にあるものが
少し見えることがある
焼肉なら
牛の肉として見える
サバ缶なら
魚の死骸として見える
ウィンナーなら
豚の肉をすりつぶし
羊の腸につめたものとして見える
気持ち悪いとか
残酷だとか
そういう強い感情ではない
食べられないわけでもない
ただ
前よりも
食べものとしての名前が先に立たず
その向こうにあるものが
静かに見えることがある
そこに
なんとなく違和感がある
苦しいわけでもない
嫌なわけでもない
ただ
今までと同じ見え方ではなくなってきている
食べものは
ただの料理ではなく
もともと別の生命の一部だったものでもある
その当たり前のことが
少し前より
そのまま見えるようになっているのかもしれない
それが何を意味しているのかは
まだよくわからない
食を遠ざけたいのか
欲しさが静かになってきたのか
ただ見え方が変わってきただけなのか
はっきりしたことは言えない
けれど
食べものを見たときに
料理としてではなく
その向こうまで少し見えてしまう
その感覚だけは
たしかにある
今日は
食べものの向こう側が
前より静かに見えるようになってきたことを
ただ観ていた
