よいことをすれば
よいことが返ってくる
そう考えると
善はどこか
交換のようになってしまう
報われるために
よいことをする
認められるために
正しくあろうとする
何かを得るために
よい人でいようとする
けれど
それはもう
善というより
願いに近いのかもしれない
世界は願いを知らず
ただ理に従う
こうあってほしい
こう返ってきてほしい
こう報われたい
そうした思いとは関係なく
ただそのまま進んでいく
思いどおりにならない世界だからこそ
余計に争わないこと
奪いすぎないこと
無理に支配しようとしないこと
必要以上に押し通そうとしないこと
そのほうが
ことわりの流れとは
ぶつかりにくい
善とは
選ばれることでもなく
褒められることでもなく
どこかへ行くための切符でもないのかもしれない
ただ
流れを見て
必要以上に乱さないこと
必要以上に奪わないこと
必要以上に押しすぎないこと
押しすぎれば
押し返される
握りすぎれば
重くなる
奪いすぎれば
どこかに歪みが残る
それは罰というより
ただそうなるだけ
だから
大きな善を掲げなくてもいい
正しい人になろうと
力を入れすぎなくてもいい
ただ
今ある流れを見て
余計にぶつからない
必要な分だけ受け取り
必要な分だけ関わり
必要なところで手を止める
善とは
何かを得るための行いではなく
流れを乱しすぎない
静かな姿勢なのかもしれない
そのくらいが
いちばん無理が少ない
そのくらいが
いちばん自然に近いのかもしれない
今日は
善とは
願いを通すことではなく
ことわりの流れの中で
余計に争わず
奪いすぎず
乱しすぎないことなのかもしれないと
ただ観ていた
