生きるだけなら
もう満たされているのかもしれない
貯金はない
家のローンも残っている
日々仕事に追われ
自由な時間も多くはない
決して
楽に生きている実感があるわけではない
足りないものもある
重いものもある
不安が消えるわけでもない
けれど
今日一日を生きる分は
すでに足りている
食べることができる
眠る場所がある
今日を終えることができる
そのことだけを見ると
生命としては
もうかなり満たされているのかもしれない
人は
その上に
安心や自由や余裕を重ねて見る
だから
まだ足りないと感じることもある
それも自然なのだと思う
けれど
生きることそのものに戻ると
今日一日を続ける条件は
もう手元にあることがある
そのことを
ただ確かめるだけで
気持ちが少し軽くなる
何かが大きく変わったわけではない
借りが消えたわけでもなく
時間が増えたわけでもない
ただ
生きるだけなら
もう満たされていると確認する
それだけで
足りなさの重さが
少し静かになる
今日は
生きるだけなら
もう満たされているのかもしれないことを
ただ観ていた
