思いを通せば静けさは遠のく

何かを通したくなるときがある

わかってほしい
その通りになってほしい
変わってほしい
受け入れてほしい

そういう思いが強くなるほど
心の中には力が入っていく

言葉を重ねたり
正しさを並べたり
少しでもこちらへ寄せたくなる

けれど
その動きが強くなるほど
静けさは少しずつ遠のいていく

相手のためだと思っていても
本当は
自分の思いを通したいだけのこともある

この形であってほしい
そのままではいてほしくない
そういう望みが前に出ると
見えていたはずのものが見えにくくなる

思いを持つことが悪いわけではない

伝えたいことがあるのも
守りたいものがあるのも
自然なことなのだと思う

ただ
思いを通そうとする力が強くなると
その瞬間から
こちらの中の静けさは薄れていく

静けさがあるときは
無理に動かそうとする力が弱い

相手を変えようとせず
流れを押し曲げようとせず
ただ起きていることを見ていられる

けれど
思いを通し始めると
世界より先に
自分の内側が騒がしくなる

苦しくなるのは
思いどおりにならないからだけではなく
思いを通そうとしている
その力そのものかもしれない

今日は
思いを通そうとしたとき
静けさが遠のいていくことを
ただ観ていた