お金は
多くの欲をかなえる力を持っている
欲しいものを手に入れたり
安心を買ったり
足りなさを埋めたりできる
それだけに
強く持っていたい気持ちも生まれやすい
減らしたくない
失いたくない
手元に留めておきたい
そういう動きが
自然に出てくる
けれど
その向きを少し変えて
ほかの生命のために使うと
気持ちが少し静かになることがある
手元にあるお金も
ずっと抱えていられるものではない
所詮
留め続けられるものではなく
流れていくものに近い
その流れを
欲のほうへだけ向けるのではなく
ほかの生命のほうへ向けてみる
それだけで
握っていた力が少し弱まる
すべての生命は
それぞれの生命を維持するために生きている
足りなさの中で動き
守り
奪い
奪われながら続いている
そんな世界の中で
ほかの生命のために何かを向けることは
少し特別なことに見える
ほんの少しでも
向いていたものが外へ開くと
世界の見え方が少し変わる
苦しさがなくなるわけではない
けれど
欲のほうへだけ向いていた流れがやわらぐと
気持ちは静かになりやすい
お金を使うことそのものより
向いている先が
心の重さを変えているのかもしれない
今日は
お金の向きを変えることで
世界が少しやさしく見えることを
ただ観ていた
