自と他の境界はあいまい

一つの生命は
単独では生きられない

そう考えると
どこまでが自で
どこからが他なのか
少しわからなくなる

このことを考えている脳が自で
それ以外の体は他なのか

けれど
脳だけでは生きられない

体もまた
切り離せない

では
この体全体が自で
外側が他なのか

けれど
体の中にも
さまざまな生命がいる

それらを抜きにして
一つの体は成り立たない

ならば
それも含めて自なのか

けれど
人は
体の中だけでも生きられない

外の生命を取り込み
水を受け取り
空気を受け取り
ようやく今日を生きている

それなら
それらもまた
自の側にあるのかもしれない

さらに
一人だけでは
生活も成り立たない

家族
勤め先
関わっている人たち

そうしたつながりの中で
一つの生は保たれている

そこまで含めて自なのか

では
日本という共同体が自で
ほかの国が他なのか

人類が自で
それ以外の生命が他なのか

けれど
人類もまた
地球という土台がなければ続かない

地球もまた
太陽を離れては成り立たない

太陽もまた
宇宙の中にある

そこまで見ていくと
自を支えているものは
あまりにも多く
他と切れる場所が
だんだん見えなくなってくる

自だと思っていたものも
いくつものつながりの上にあり

他だと思っていたものも
こちらを成り立たせる側にある

そう見ると
自と他の境界は
思っているより
かなりあいまいなのかもしれない

他と呼んでいたものも
そう簡単には切れない

今日は
生命の境界線を探していくうちに
自と他は
はっきり分かれているわけではないのかもしれないことを
ただ観ていた